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2014年F1第2戦マレーシアGP

FP~Q

予選結果 P1.HAM(AMG-M) P2.VET(RBR-R) P3.ROS(AMG-M) P4.ALO(FER-F) P5.RIC(RBR-R)
(※予選後審議2件あり)

  • メルセデスが自社PUカスタマーに対してもワークス仕様のPUアップデートを提供するとの未確認情報あり。通常はワークスアドバンテージを得たいのでこのようなことはしないが、自チームに加えウィリアムズとフォースインディアも上位に食い込ませることで他PUチームのポイント獲得率を削ぐ狙い、そして、カスタマーにアップデートを提供しても自チームの圧倒的な優位性は揺るがないとの自信ある判断か?(以上今宮さん,FP2)
  • 3日間毎日降水確率96~98%も、FP1~3はドライ。しかしQ1前にありえないくらいの豪雨が襲来、ディレイ50分。Q1前に一度止んだが、途中から再び降り始めて以後Q3チェッカーまで断続的に降ったり止んだり強雨になったり、非常に難しい予選となった。そして終了後、トップ3会見が始まるタイミングで晴れる空…。空気読みすぎである
  • 各チーム、ウェットとインターのクロスオーバー読みに苦労している印象。オーストラリアGPもQ3タイムがインターとウェット入り交じっていたので、少なくともこの2コンパウンドに関してはピレリの出来が相当にいいのかもしれない(とはいえ今回はどちらが正解か明暗ハッキリだったが)。かなりたのしい。
    • 前回猛威を振るったウィリアムズがこの読みに大失敗し、Q2陥落(P13.MAS,P15.BOT)
    • Q3ではマクラーレンが同じ状態に。インターで出たバトンは「うーんこれ多分クロスオーバーだよ」という無線を流し視聴者をビビらせるが、タイムは全く上がらず。その後BOXするもなぜかインターからインターへ履き替えて視聴者をさらにビビらせるという高度なテクを発揮する。しかしすぐに雨が強まり、万事休す。P10。
  • Q1 P1:ROSとP3:VETのスピードトラップ、S1で20km/h差、S3で10km/h差と異常な数字。しかし直線で話になっていないのにも関わらず、最終的にタイムは0.5s差。PUさえ改善すればRBRはマジでヤバそう。
  • 可夢偉はQ1止まらずに走れただけでもすごいわ…。FP1~3でトータル12周しか走れないまま予選へ。Q1直前ディレイ時のインタビューによれば、FP3では電気系統のトラブルがあったとのこと。
  • 前回シリンダーが死んでたハミルトンのエンジンは復旧、PU交換扱いとならずに済んだとのこと。同じくシリンダーがダメだったベッテルはどうなんだろう?ニュースになっていないということは恐らくこちらもなんとかなったのでしょう。
  • 予選をマシントラブルで完全に潰したチームはいなかった。VETが一時的なESトラブルで危なかったくらいか?早くも全体的に安定しつつあるのかも知れない。棚ぼたポイントが狙える期間はそれほど長くないのかも。

決勝

ドライ→中盤からごく一部で非常に弱い雨が降るも、ウェット義務ないままフィニッシュ。
概要(F1通信) 結果(公式)
1.HAM(AMG/M) 2.ROS(AMG/M) 3.VET(RBR/R) 4.ALO(FER/F) 5.HUL(FIN/F)

信頼性

  • 前回オーストラリアでは8台が未完走、今回は7台。うち、マシントラブルによるリタイアはどちらも5台。…まあ、こんなもんじゃないでしょうか。
    • マシントラブルで2台失ったのは、前回ロータス、今回ザウバー。これはもう、仕方ないです。
  • メルセデスは今回トラブルなく1-2フィニッシュ。かなりクルーズコントロールしていた様子。3位のベッテルも4位のアロンソも、未だ全く勝負になっていないと語っている。

可夢偉

  • P20からスタートした可夢偉ザウバー時代と同じく周囲と異なるタイヤ戦略を採用、2ストッパーで13位完走。
    • FP1~3で12周しか走れなかった(しかもオーストラリアがウェットだったのでドライはほとんどぶっつけ本番である)ことを考えれば、Q~Fを無事に走りきったばかりか7グリッドUPの13位で完走したのはほとんど奇跡に近い。前回のQ2進出でもチームを褒めたり満足したりすることのなかった可夢偉だが、今回は「今はこれ以上は望めない」とかなりポジティブなコメントを残している。
  • 29~31周目、可夢偉が国際映像に抜かれ続ける。特に30~31周目、グロジャンとのバトルは今週のベストバトルだと思う。2回目のDRS Detectionであえて一瞬グロジャンを先行させ、DRSを得て抜き返す。ライン取りからしても狙っていたことは間違いない。その後グロジャンのオンボードに変わるが、大写しになる可夢偉のマシンは元々のマシンの素性に加えタイヤのタレもあるのだろう、信じられないくらいにズベズベ。グロジャンも一度二度仕掛けるが、フラフラズベズベしているマシンでしっかりブロックラインを抑えてくる可夢偉のドライビングには大興奮。

マッサvsボッタス、悪夢の始まりか。

  • 52周目、明らかに聞き覚えのある「Valtteri is faster than you」というマッサ宛てチームラジオで騒動が始まってしまった。 P6.BUT P7.MAS の並びを P8.BOT がキャッチアップしたシーン。チームの判断としては、P7で詰まったマッサよりもP8ボッタスの方が2周若いタイヤを持っており、ペースもよい。ならばP6バトンに対してP8ボッタスでアタックを仕掛けてコンストラクターズポイントを稼げる可能性に賭けたかった。しかしマッサはここでラジオを無視し、ボッタスをブロックしてしまう。結局そのままバトンが逃げ切り…いや、マッサがバトンを逃がしきり、 P6.BUT P7.MAS P8.BOT のままチェッカーを受けてしまう。
  • マッサはレース後、「ボッタスは僕すら抜けなかったんだからバトンのことだって抜けなかったさ」と発言。ハッキリ言って、これは詭弁以外の何物でもない
    1. そもそもチームメイト同士。いくらチームからの「You're faster than Massa, overtake him」のラジオがあったとしても、危険なバトルを仕掛けてダブルリタイアすることだけは絶対に避けなければならない。ボッタスは、マッサに対して本気のオーバーテイクを仕掛けることはできない。
    2. 似た特性のマシンに前をキャップされると非常に抜きづらい。違う特性のマシンの隙を突くよりもその難易度は高い。
    3. ダーティーエア。前のマシンの高温の排気を受けながら走るマシンは不利益を受ける。マッサは1台分、ボッタスは2台分のダーティーエアを受ける。どちらが不利かは自明である。また、あまりに長く後ろに留まり続けることはオーバーヒートを招く。
    4. 先行するバトンよりも、ウィリアムズの2台の方が燃料を残していた。元々キャッチアップできるペースだったのだから、マップを変えれば有利にアタックすることができていたのは間違いない。(あろうことか、マッサはフルブーストでボッタスをブロックしていたという。せっかく残した燃料をチームメイトのブロックと敵のアシストに使うなんて…)
    5. ボッタスは、バトンとのバトルに使うための燃料を残しながら走っていたはず。もちろんタイヤも残しておかねばならない。燃料を残しタイヤを温存しながら、フルブーストでブロックしてくるチームメートを抜けだって?馬鹿げてる。
    • 重要なのは、これらのことをマッサが理解していないはずがないということだ。単にチームオーダーを一切受け容れないポリシーなのだというならば、まだ良い。契約上定められていないことならば、自分はそういうポリシーなのだと堂々と言えばいいことだ。しかし、言い訳をするばかりか、その言い訳が明らかな詭弁であるのは最悪だ
  • マッサとしては、抑圧され続けたフェラーリから解放されて伸び伸びやりたいだとか、放出されて年齢的にも後がなく、ここで新人に負けたら終わりだというプレッシャーもあるのだろう。それは本当によくわかるのだけど…よくないよ。俺は、ここで譲ったからと言って、マッサが再びポチに戻ってしまうとは思わない。そもそも、マッサが遅いドライバーだとは思っていない。今回も、単にタイヤ戦略とキャッチアップのタイミングで偶然ボッタスの方がいいペースだっただけだと思う。そんなに頑なになるような場面ではない。
    • ただ、チームにも原因があるかも知れない。「~ is faster than you」という言い回しは明らかに"あのラジオ"を想起させる。マッサはこの言い回しを自分に対する侮辱と受け取り、より頑なになったのかも知れない…
  • 一方、ボッタスの性格も見えてきた。ルーキーにしてはかなり主張するタイプのようだ。レース開始直後の7周目、マッサに仕掛けないようにというチームからの指示に対して「But I have more pace(わかったよ、でも俺の方が速いのに!)」と叫ぶラジオが国際映像に流れている。しかしそれでいて、レース後にはマッサよりも圧倒的に冷静なコメントを残してもいるのがおもしろい。ステアリングを握ると性格が変わる傾向もあるのかも知れないが、基本的にはしたたかなタイプなのだろう。実力もあるようなので、今後が楽しみ。

アンダーウェイトで走ったウィリアムズ

燃料を大きく残していたと言われたウィリアムズだが、その後の話を総合すると、どうやら元から軽い燃料で走っていたようである。

今週の名言

モォリワキサァ~ン
川井ちゃん、ヒュルケンベルグのタイヤ戦略に気付いた瞬間。音声を貼れないのが非常に残念。
OK, Felipe, Valtteri is faster than you
もう、説明不要だよね。

!今回おぼえたこと ?まだよくわからないこと

!気象情報
全チーム共通のシステムを使用しており、情報のアップデート間隔は60秒。ぶっちゃけ遅すぎる。セパンの場合、60秒あれば、コントロールラインからセクター2終わりまで走ってしまう…。
!体内温度計
バリウム飲むみたいに温度計を飲まされるとか。体内温度を測って体調管理をするらしい。腸内温度をダイレクトに測るってのは確かに最強っぽい。ついでに、体温の冷却には冷気の吸入が非常に大切だそう。すなわち逆も然りで、熱気を吸入すると容易に体温が上がってしまう。ということで、最近はその辺りもいろいろと工夫するのだとか。
!セパンの舗装
最後の舗装は2007年。
!Gセンサー
イヤーピースにGセンサーが入っており、装着義務がある。当然オーダーメードで耳に合わせて作るが、装着性が悪く、非常に痛いらしい。
?ウェット→ウェット
特にQ3で、ウェットからウェットへの交換が目立った(バトンはインターからインター)。なんでだろう?Q3はかなりヘビーウェットだったので摩耗やオーバーヒートはないだろうし。ヘビーウェットでもグレイニングは出るのか?「空気圧の違うウェットをいくつも用意しているのではないか」という意見もいただいてなるほどと思ったが、正解は不明。1~4速辺りまではどのマシンもかなりホイールスピンしていたので、ヘビーウェットでもそこそこ摩耗するのかな。
!捨てバイザー
ピットから出る時にドライバーが何かアピールしたように見えたらだいたい捨てバイザーだから落ち着け
?ストップ&ゴーペナルティ
今年から導入された5秒ストップ&ゴーペナルティも含め、ストップに続けてピット作業を行うことが許可された。去年までは、ストップ&ゴーペナルティはそのペナルティのみを履行するためにピットインしなければならなかった。また、ペナルティ指示から5周以内の履行義務もなくなり、レース終了までに消化すればよい。これらの変更により、ストップ&ゴーペナルティの数字と実際に影響するロスタイムが一致するようになった。(最後のスティントで宣言されると余計なピットインをする必要があるので大きく影響する?無視してフィニッシュしたらどうなるんだ?)
?BOX, BOX, BOX.
なぜ3回言うのか、そしてなぜ3回言うのが流行っているのかは、川井ちゃんにもわからない。
?Torque 1
ピットイン用=ストップ&ゴー用トルクマップ(RBR)。「BOXだよ、Torque 1(に変更するのを)忘れずにね」というラジオが度々流れている。忘れるのがそんなに心配なら、ピットロード用スピードリミットボタンにマップ変更トグルを組み合わせておけばいいのではないだろうか…?
!RFA
Rear Flap Activation. RBR流のDRSの呼び方。各チームにこのような独特の言い回しがあるんだよ、と川井ちゃんがキレていた。立本くんをあまりいぢめないであげて!!!!

GPニュース2014/4/11回より

?GP2のSCとピット
GP2ってSC中はピットレーンクローズなんだっけ?

その他/雑感

今年は特に可夢偉を応援する気はなかったのだが(だって4年で累計0ポイントのチームだよ!)、正直、ヘタにそこそこいけるマシンを持っていたザウバー時代よりも、今年の方が可夢偉ウォッチが楽しい気がしてきた。なまじ勝てる要素がないので、ちょっとくらい失敗があってもイラついたり残念な気分にならない。0ポイントで当然、完走できなくて当然。

しかも、可夢偉の状況はさながらリアル育成ゲームである。ケータハムを育てるというかなり高難度なゲームに挑んでいるような状況がまたおもしろい。日本人ドライバーが最下位チームにいるおかげで、普通の報道にはまず乗らない、最下位チームのリアルな実情がニュースになって流れてくる。こんなに興味深いことはない!

今のところPUで大差が付いてしまっている上位陣を見ているよりも、ケータハムを見ている方がよっぽど楽しいかも知れない…。