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2014年F1第6戦モナコGP

プレビュー

シーズンの中でもひときわ異彩を放つ超タイトな市街地バトル、モンテカルロ市街地コース。超超低速であることやバンピーなこと、そして急なカーブが連続することなど特殊なコース特性から、ここまでの5戦とは全く違ったセットアップが求められる。モナコの1戦でしか使用しないスペシャルパーツ(ダウンフォース超特化仕様)を持ち込むチームもあるほどである。

また、予選の重要度が最も高いサーキットでもある。コース幅が狭すぎ、現在の拮抗したマシン同士ではオーバーテイクが難しいからだ。ポールトゥウィン率は直近10年に限れば実に90%に上り、雨の決勝でPPマッサ→優勝ハミルトンとなった2008年だけが唯一の例外である。激しいトラフィックをかわし予選ラップをまとめる運と技量、それだけで決勝リザルトの7割が決まると言っても過言ではない。

メルセデスAMG
例によって強さについては言うことがない。しかし、前回スペインGPで初めて「本当に」悔しそうな表情を見せていたロズベルグが気に掛かる。この2人はいがみ合ってしまうのではないかと言われながらここまでは比較的良好な関係を保っていたように見えるが、そろそろ何かが起き始める頃合いかもしれない。特に狭いモナコ、攻撃的なハミルトンの走りとの間で…というのも、ない話ではない。
レッドブル
前回シャーシを交換し、15番グリッドから4位を獲得する走りを見せたベッテル。しかし1~4戦使用シャーシの具体的な問題は特定できていないようで、シーズンを戦える速さを取り戻したかどうかはもう数戦見極める必要があるように思える。最高速で劣るルノーPUだが、モナコではその差が埋まる可能性は高い。むしろ安定したコーナリング性能を見せているレッドブルは強力な存在だと言える。
フェラーリケータハム
この2チームはひどいダウンフォース不足に悩まされているが、低速コーナー主体のモナコの場合、より重要なのは空力よりメカニカルグリップである。ダウンフォースの影響は他チームに比して相対的に小さくなる可能性もあり、どちらのチームにとっても数少ないチャンスであるかもしれない。特に撤退報道の過熱するケータハムは、完走率の下がるモナコに乗じてよい結果を挙げねば、本当に後がないかもしれない。
ロータス
ペナルティポイント4点のワースト1で注目されるマルドナドは、モナコにおいて波乱の経歴を持っている。2005年フォーミュラルノーイエローフラッグを無視したマルドナドはマーシャルに大怪我を負わせ、一時はモナコ公国から永久追放されていた。また、F1で参戦した2011~2013年の3レースでは、全て接触のためフィニッシュラインを通過できていない(2011年は最終盤でクラッシュし完走扱い)。しかしその一方、2006年フォーミュラルノーでは優勝。続きGP2で参戦した2007~2010年の4戦では優勝2回に2位1回を含む完走率100%と、素晴らしいリザルトを挙げてもいる。ほぼ「表彰台かリタイアか」というわけだ。今のロータスは、トラブルなく完走すれば十分ポイントが狙える状態まで追い上げてきている。本人は得意だと言い張るモナコで是非とも結果を出して欲しいところ。

FP1,2(木曜日)

モナコのDay1は木曜日。金曜日は伝統的にパーティーデーと決まっている。モナコはレースではなくお祭りだと言われる理由の一つである。

1日を通じて気温が低く、今季初めて履くスーパーソフトの感触は悪くないとはいいながらも、きちんとフィーリングを確かめるまでには至らなかったようだ。またFP1終了後に雹まじりの雨が降り(雹はずいぶん珍しいことらしい)、FP2の路面はフルウェットで開始。50分近く誰も走らない状況であった。

FP3

見れず。でも特になにもなかったみたいですねー。

予選

これもしっかり見れてないので、報道とQ3の映像だけ見てざっくり。

Q1
エリクソンがブレーキングミスし、マッサを巻き込むクラッシュ。エリクソンはP22に加え、決勝ピットスタートペナルティとペナルティポイント2点の裁定を受けた。
Q2
マッサはQ1クラッシュの影響で走行できず、ノータイムのP16。バトンもP12でノックアウトされてしまう。ベッテルはMGU-Kトラブルを起こすが、なんとかリカバーして3位タイムでQ3へ。ロータス2台もここでノックアウト。自称モナコマイスター・マルドナド、P15スタート!
Q3
ロズベルグがリードし、ハミルトンが0.06秒を追う展開。2回目のアタックラップへ入るが、ミラボー手前でロズベルグがミス(避けねばならない左の大バンプを踏んだか?)、エスケープゾーンへ逃げ込む。これでセクターイエローが出てしまい、続くハミルトンらのアタックは終了してしまった。結果としてロズベルグがPPを得るも後味の悪い形で、P2.ハミルトンも怒りの表情に見える。

プレビューでロズベルグとハミルトンに何か起こるのではないかと書いたが、早くも予選で現実になってしまった。故意ではなく悪質なミスでもないということでペナルティ対象にはならなかったものの、ロズベルグのミスでハミルトンが割を食ったのは間違いない。スタート位置が最も大切なサーキットで、アグレッシブなハミルトンが後塵を拝する展開……これは非常に危険な状況だろう。

ライバル同士戦うのは結構だが、その範囲を超えていがみ合う姿を見るのは全く楽しくない。古い友人関係だったロズベルグとハミルトンの二人とあれば、なおさらである。なんとか無事に決勝を終えて欲しい。

予選結果
ROS-HAM-RIC-VET-ALO-RAI-JEV-MAG-KVY-PER - P21*KOB
チーム別
AMG-AMG-RBR-RBR-FER-FER-STR-MCL-STR-FIN
PU別
M-M-R-R-F-F-R-M-R-M (M4/R4/F2)

※P22.ERIはQ1クラッシュのペナルティによりピットスタート。P19.BIAはギアボックス交換により5グリッドダウン→P21。

決勝

(あとで)

レビュー

ケータハム

ケータハムF1というチームの歴史が終わった瞬間を見てしまったかもしれない。

身売り報道が過熱しているとは言え、即時撤退はないだろう。しかし、マルシャに9位(2点)を獲られたというのは疑いようもなく絶望的な結果である。トニー・フェルナンデスの言う「結果」とは、最低限、マルシャに勝利することだろう。結果を出すか撤退かの二択であると明言している以上、ケータハムは最低でも3点を挙げねばならないことになった。

有り体に言ってしまえば、ケータハムがポイントを挙げるチャンスは、レースが大きく荒れた機に乗じて完走するパターンしかない。今年のスケジュールに組まれている各サーキットの過去5年完走率を算出してみると、ここから先、モナコの71.04%(今年は63.6%)を下回るサーキットは存在しない(レッドブルリンク=A1リンクは除く;前回開催年度が古すぎて比較不可能)。強いて言うならば、今年初開催となるソチは未知数である。しかし当然、ソチだけで3点以上を稼ぐというのは非現実的だ。

もし自分がオーナーであれば、今日の時点で撤退を決めるに足るデータは揃ったと考えるだろう。あとは、ケータハムF1の歴史と共に可夢偉のF1人生までもが終わってしまわないように祈るだけである。

(その他はあとで)